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ターンテーブル原理主義

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ジャンクDJのスクラッチ実践編


現在はセッティングが変わりましたが、この時のはこれはこれで面白いのでこのページはこのままにしておきます。



クラッチ実践編 Part.1


スクラッチで聴いていてもやっていても一番楽しいのは、やはり人の声です。もちろん、他のものも十分楽しいんですが、人の声をスクラッチしている時に一番の安らぎと幸せを覚えます。そんなわけで、人の声から話を進めてみます。

【人声(ボイス)】

人声というのは、大まかにわけて、 ・カツゼツと吃音部分→「FUCK YOU」なら「ファ」の部分とか、「Come on」なら「カ」の部分のように音が始まる部分です
こういうところは繰り返しスクラッチしていて実に楽しいところです。

「ファ、ファ、フギャフギャ、ファ、ファ、ファック」みたいな感じになる部分ですね(フギャフギャ、というのはスクラッチしている部分ですが、文字で書くとバカですね)。

こういう場合は「ファ」の直後にいちいち音を切って、その間にレコードを元の位置まで戻す、という繰り返し作業を行わないと「ファ、ファ、ファック」とすることはできません。

「ファギャギュワファークゥファ」のように締まらないものになってしまいます。多分、普通はこういう局面でクロスフェーダーを使うのだと思うのですが、要するに、「ファ」が流れたらすぐに音自体を切っちゃえばいいわけなので、私はSOURCEスイッチをOFFにすることで対処しています。効果としてはフェーダーのスイッチを使ってカットした場合と(聴く限りでは)同じです。カットを多用すると、必然、ON/OFFの繰り返しはかなり激しくなって、1秒間に2〜3度というようなことも必要になってきます。また、スクラッチをしていない時(ただレコードを流している場合)でも、音をカットすることにより効果を演出することができるので、実際にはスクラッチよりもカットをしている時の方が私の場合は多いです。

・レガート部分→

つまり声を伸ばす部分です。これは「I LOVE YOU」でYOUの部分を歌い上げているような感じのところを「ユーーーーーーーユワユワ(ちょっとスクラッチしてます)ウーーーーー」のようにしたりするところです。人の声は伸びている部分に関しては管楽器などをスクラッチしているのとさほど変わらない音になるようです。
これも音をカットしてやると、それだけでいろんな効果が出るみたいで、前述の「YOU」も、ただ伸ばせば「ユーーーーー」となるところを、カットすることにより「ユッ、ウッ、ウッ、ウウウウウ」のような状態にすることができます。回転速度を変えれば音程なども変えられるので、ターンテーブルが楽器として機能していることを強く感じられる時でもあります。

・破裂音部分→

破裂音で呼び方が正しいのかどうかよくわからないですが、つまり「シュ」などの音声の入った部分で、ホワイトノイズになる部分です。ターンテーブリストの曲によく出てくる「シューシュシュシューシュッ、シュシュシュシュシュ」(まったく文字にするとお手上げですね)というアレをこの部分をコスることで出すことができます。この部分は場合によっては5mmくらいの長さしかないこともあるので、かなり短い距離をえんえんとスクラッチし続けることになることも多いです。

激しくカットしてやった方が効果は倍増するような気はしますが、そのあたりは好みの問題もありそうです。また、人声には他にも「ピューピュー」と鳴ってる部分とか(口を閉じる際に一瞬出る部分です)、「吐息」などの部分もあって、それぞれ面白い効果を出せます。もちろん、「ウッ」とか「ハッ」などの気合いボイスは、少なくともHIP HOPにおいては絶好の素材になります。

と、大まかですが、人声はこういう各部分にわかれれると思うのですが、実際にはそれらをいろいろと組み合わせるのが面白いようですね。 人声のみのレコードを探すのは結構大変だと思っていたのですが、よく考えれば、アカペラが入っているのを買えば、それでいいだけです。それに気付いてからは200円くらいのクズのような扱いを受けている不遇なアカペラ入りのHIP HOPというよりラップアルバムをよく買っています。

ラップ以外で探すとなると、なかなか大変で、台詞入りの映画サントラとか、あるいはアニメものとか、少なくとも安価で手に入るものではそういうものしか私は知りません。

「詩の朗読」のアルバムも見つけて買いましたが、これは静謐すぎて、あまり面白くはないです。根性で探せば、政治家の演説やアジテーションLPなども手に入るとは思うのですが、現在では難しいようです。KID KOALAの「carpeal tunnel syndrome」のように医療用の解説レコードを使ったりする実験性には憧れるのですけど、手には入れてません。Q-Bertは子供用の教育レコードを使っていましたが、英語版のそのテのものも日本ではなかなか入手が困難なような気がします。




【楽器編】

・打楽器系

打楽器のスクラッチといえば、定番なのがドラムということになるのでしょうか。

バスドラのヒット部分を前後にスクラッチするだけで、HIP HOPの定番「ズキュズキュ」(もう文字での表現は諦め始めました)がすぐ出ます。
これはスネアの部分でも大体似たようなもので、こっちは「シュコシュコ」というホワイトノイズ混じりの高音になります。どちらも簡単は簡単ですが、リズム感に乏しいと非常にショボく聴こえてしまうようです。この場合もカットを使って、前に出す時だけ音を出すとか、リバースさせている時だけ音を出す、などの方法で音の雰囲気も違ってくるようです。

また、Q-Bertなどが多用する独特の「終始リバース音全開」というのも、私はまだ真似できるレベルにはありませんが、カッコイイことはカッコイイと 思っています。リズムの裏で延々とシュコシュコとドラム部分をコスり続けることによって、あの効果が出ているのではないか、とにらんでいますが、まだ定かではないです。

いずれにしても、打楽器をスクラッチする時にはリズム感を失わないように気をつけないと、曲全体をダメにしてしまう可能性があります。
ドラムの音源自体は、ロックでもポップスでもドラムだけの部分が入った曲は山ほどありますので、探すのは簡単でしょう。

・弦楽器系

代表的なのはギターでしょう。これはエレクトリックギターとアコースティックギターで意味も音も全然違いますし、また、それぞれ、和音(コード)と単音(ソロとかアルペジオ)でまったく違います。エレキの和音はうまくいくとすごくカッコイイのですが、どうしてもグチャーとした感じになりやすくて、今の私のレベルでは手に負えません。

DJ REVOLUTIONが「HARD ROCK」という曲で、見事に全面エレキギターの和音をスクラッチしまくった曲を作ったことがありますし、MR. DIBBS もハードロック系を使うのは上手だと思います。要するにセンスがいいということなのでしょうが、テクもかなり必要な気はします。エレキギターの和音の場合はとにかく音出しの最初の部分をしっかり出さないと、グチャグチャになってしまうようで、私はいつもグチャグチャになります。

エレキの和音の一番簡単な使い方は、ただ前後にスクラッチするやつでしょう。いわゆるスクラッチ擬音の典型の「キュッキュッ」というのが簡単に出るわけです。これだけの用途のためにも、ヘビメタかパンク系のアルバムは少し持っていたいものではあります。

アコースティックはあまり多用している例を見たことはないのですが、きれいにいけば、かなり面白い効果が期待できると思います。アコースティックギターの場合はきれいな旋律を奏でている場合が多いので、メロディを重視するために、リバースの時は完全に音をカットする、という例が多い気がします。もちろん、きれいな旋律を崩すというのも楽しい行為ではあります。

MIX MASTER MIKEなどがたまーに(1曲の中に一度だけとか)ギターの音を「ペンペン」と入れてたりしますが、ああいうのもお洒落ではありますね。

クラシック系となると、バイオリンやピアノでしょうか。ピアノを弦楽器というのは変ですが、音出しの頭部分が入らないで、レガート部分だけを切り取ると、ピアノは弦楽器と同じ音を出します。実際にバイオリンやピアノを多用している例は多くはありませんが、部分的には結構使われています。「THE ABLIST」の中で、ROB SWIFTがピアノ協奏曲だけで1曲を作り上げてしまった、などは驚異的な例として永遠に記憶に残したいものです。

弦楽器も協奏曲、つまりストリングスになると、かなり無機的で攻撃的なスクラッチ音を出して、スクラッチとして私が大好きな音です。ノイズミュージックなどともよく合うと思います。
いわゆる「オーケストラHIT」とか呼ばれる「ジャーン」というのはHIP HOPでは結構定番ですね。私はあまり好きではありませんけれど、たまに入れると、確かに曲にメリハリはつくようです。

・管楽器系

サックス、トランペット、クラリネットなどですが、実際に試したことがあるのはサックスだけです。これは相当面白いスクラッチになります。サックス自体がどこで音を切ってもあまり変化がないので、かなり適当にスクラッチしても、リズムさえあれば、何とかなってしまうんですね。トランペットのソロでも事情が同じような気もしますが、トランペットは出だし(吹く瞬間)に特徴があるので、サックスとは事情が違いそうです。でも、試したことがないので、何とも言えません。